四国は、日本列島の南に位置する、本州、北海道、九州に次ぐ4番目に大きな島。豊かな自然と古い歴史、独自の文化を持つ魅力的なエリアです。
ここでは、そんな四国を一周する3泊4日のモデルコースをご提案します。瀬戸内海と太平洋に面した変化に富んだ海岸線、深い信仰の対象となってきた霊山の数々、歴史を感じさせる街並みなど、見どころが満載。
公共交通機関を上手に使いながら、それぞれの地域の魅力を存分に味わえる盛りだくさんのプランをご紹介しましょう。
四国一周のポイント
四国は、愛媛県・香川県・徳島県・高知県の4県からなる地方。瀬戸内海に面した北側は穏やかな風景が広がる一方、太平洋に面した南側は雄大な自然が魅力です。
また、四国八十八ヶ所霊場に代表される数多くの寺社や、坂本龍馬ゆかりの地など歴史的なスポットも点在。県庁所在地の高松市や松山市などの都市部には美味しいグルメも揃い、見どころが尽きません。
四国を一周するためのアクセス方法としては、JRの特急列車を利用するのが便利。本州との間は、瀬戸大橋や明石海峡大橋、鳴門大橋などでつながっており、新幹線や高速バスとの乗り継ぎも比較的スムーズです。
それでは、実際の一周モデルコースを見ていきましょう。
四国一周3泊4日モデルコース
1日目:香川県・高松市〜小豆島
香川県の玄関口・高松空港に降り立ったら、まずは高松市内へ。ことでんに乗って中心部の兵庫町へ向かいます。
交通手段 | ことでん(高松空港駅→兵庫町駅) |
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所要時間 | 約40分 |
料金 | 450円 |
高松に到着したら、まずは「高松城跡 玉藻公園」へ。江戸時代に築城された高松城は日本三大水城の一つで、現在は石垣や堀、庭園などが残る玉藻公園として親しまれています。
スポット名 | 高松城跡 玉藻公園 |
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住所 | 香川県高松市玉藻町2-1 |
拝観時間 | 7:00〜18:00(12月〜2月は17:00まで) |
拝観料 | 大人200円 |
公園内には、心字池庭園や披雲閣庭園など美しい回遊式庭園が点在。四季折々の風情を感じながら、ゆっくりと散策を楽しみましょう。
昼食は、高松名物の「骨付鳥」がおすすめ。鶏肉の旨味がギュッと詰まった骨付きもも肉を、香ばしく焼き上げた一品です。
グルメ名 | 骨付鳥 |
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おすすめ店 | 一鶴、天九、かわせみなど |
予算 | 1,000円〜2,000円 |
午後は、高松港から約1時間のフェリーに乗って、風光明媚な「小豆島」へ。オリーブ畑や寒霞渓、エンジェルロードなど見どころ満載の島です。
交通手段 | 高松港→土庄港(小豆島) |
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所要時間 | 約1時間 |
料金 | 片道1,470円 |
島の中心部・土庄港に到着したら、レンタサイクルを借りて島内を一周するのがおすすめ。オリーブ公園では、地中海風の白い壁が美しいギリシャ風車が出迎えてくれます。
スポット名 | 小豆島オリーブ公園 |
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住所 | 香川県小豆郡小豆島町西村甲1941-1 |
開園時間 | 8:30〜17:00 |
入園料 | 大人1,400円 |
また、島の東部に位置する「寒霞渓(かんかけい)」は、国の名勝・天然記念物に指定された渓谷美の宝庫。遊覧船に乗って、大自然のスケールを体感しましょう。
スポット名 | 寒霞渓 |
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住所 | 香川県小豆郡土庄町小部 |
遊覧船運航時間 | 9:00〜16:00 |
遊覧船料金 | 大人1,200円 |
夕日が美しい季節には、「エンジェルロード」へ足を運ぶのもおすすめ。潮の干満により現れる砂の道は、まるで天使の羽のよう。恋人の聖地としても人気のスポットです。
スポット名 | エンジェルロード |
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住所 | 香川県小豆郡土庄町銀波浦 |
現れる時間 | 1日2回、干潮時の約3時間 |
1日目の宿泊は、島内のゲストハウスや民宿がおすすめ。のどかな島時間をのんびりと過ごして、2日目に備えましょう。
2日目:徳島県・鳴門市〜徳島市
2日目は、小豆島から再びフェリーで高松港へ。そこから高松自動車道を使って、徳島県の鳴門市を目指します。
交通手段 | 高松自動車道(高松中央IC→鳴門IC) |
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所要時間 | 約1時間 |
料金 | 普通車1,320円 |
鳴門に到着したら、まずは「大鳴門橋」へ。吊り橋としては日本一の長さを誇る、鳴門海峡に架かる雄大な橋です。
スポット名 | 大鳴門橋 |
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住所 | 徳島県鳴門市 |
橋の長さ | 1,629m |
通行料金 | 普通車1,500円 |
橋の真下には「鳴門の渦潮」が発生します。引き潮と満ち潮のタイミングで海水の流れがぶつかり合い、大きな渦を巻く迫力満点の自然現象。渦の道遊覧船に乗ると、間近で渦潮を体感できますよ。
スポット名 | 鳴門の渦潮 |
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発生場所 | 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦 |
渦潮の大きさ | 直径20m前後 |
遊覧船料金 | 大人1,700円 |
昼食は、徳島ラーメンがおすすめ。豚骨醤油ベースのスープが特徴的なラーメンで、徳島市内に多くの人気店があります。
グルメ名 | 徳島ラーメン |
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おすすめ店 | 麺王、三八、東大などの市内中心部の店舗 |
予算 | 600円〜1,000円 |
午後は、「眉山」ロープウェイで山頂へ。徳島市内を一望できる絶景ポイントで、頂上の眉山公園からの眺めは感動的です。
スポット名 | 眉山ロープウェイ |
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住所 | 徳島県徳島市一番町3-45 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
料金 | 大人往復1,020円 |
宿泊は徳島市内のホテルを予約。夜は、阿波おどりで有名な「あわぎんホール」で公演を楽しむのもおすすめです。
3日目:高知県・高知市〜足摺岬
3日目は、朝一番のJR特急剣山号で高知市へ。高知市内からは路線バスを乗り継いで、「桂浜」を目指します。
交通手段 | JR特急剣山号(徳島駅→高知駅) |
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所要時間 | 約2時間30分 |
料金 | 指定席3,770円 |
交通手段 | とさでん交通(高知駅前→桂浜) |
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所要時間 | 約40分 |
料金 | 690円 |
桂浜は、高知が生んだ志士・坂本龍馬の銅像が立つ景勝地。太平洋を望む雄大な海岸線は、まさに絶景です。
スポット名 | 桂浜 |
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住所 | 高知県高知市浦戸 |
アクセス | とさでん交通バス「桂浜」下車 |
海岸沿いには「桂浜水族館」もあり、太平洋の海の生き物を間近で見られます。カツオのぼりショーは必見ですよ。
スポット名 | 桂浜水族館 |
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住所 | 高知県高知市浦戸779 |
営業時間 | 9:00〜17:00(最終入館16:30) |
入館料 | 大人1,400円 |
昼食は、高知名物のカツオのたたきを堪能。鮮度抜群のカツオを炙って、ニンニクや薬味で味わう郷土料理です。
グルメ名 | カツオのたたき |
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おすすめ店 | ひろめ市場、明神丸など |
予算 | 1,000円〜2,000円 |
午後は、高知駅から再びJRでぐるっと回って、高知県の西端・土佐清水市へ。太平洋に突き出した「足摺岬」は、
高知観光の外せないスポットです。
交通手段 | JR特急あしずり(高知駅→土佐清水駅) |
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所要時間 | 約2時間30分 |
料金 | 指定席4,190円 |
足摺岬は、太平洋の荒波に削られた断崖絶壁が続く、雄大な景色が魅力。岬の先端には「足摺岬灯台」が立ち、遠く室戸岬まで見渡せます。
スポット名 | 足摺岬 |
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住所 | 高知県土佐清水市足摺岬 |
アクセス | 土佐清水駅から車で約30分 |
岬のふもとには「金剛福寺」もあり、参道脇の石段には枯れない不思議な蘇鉄の木が生えています。
スポット名 | 金剛福寺 |
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住所 | 高知県土佐清水市足摺岬214 |
拝観時間 | 8:30〜17:00 |
拝観料 | 大人400円 |
宿泊は土佐清水市内のホテル。夕食は、清水サバなどの地元の海の幸を存分に味わいましょう。
4日目:愛媛県・宇和島市〜松山市
最終日は、JR予土線経由で愛媛県の宇和島市へ。宇和島城下に広がる「宇和島城」は、現存12天守の一つに数えられる名城です。
交通手段 | JR予土線(土佐清水駅→宇和島駅) |
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所要時間 | 約2時間 |
料金 | 2,270円 |
スポット名 | 宇和島城 |
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住所 | 愛媛県宇和島市丸之内1 |
開城時間 | 9:00〜17:00(最終入城16:30) |
入城料 | 大人510円 |
天守閣からは、宇和海の多島美を一望。歴史ロマンあふれる雄大な景色が広がります。
城下町の散策も楽しい宇和島。藩政時代の面影を残す「うわまち」の通りでは、蔵造りの商家が軒を連ねています。
昼食は宇和島名物の鯛めし。鯛の切り身を炊き込んだご飯に、鯛の出汁をかけていただく絶品グルメです。
グルメ名 | 鯛めし |
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おすすめ店 | 炭火焼 鯛めし本舗、鯛めし御膳 青い海など |
予算 | 1,500円〜2,500円 |
午後は、JR予讃線特急宇和海で松山市へ。松山市といえば、日本三大水城の一つ「松山城」が有名です。
交通手段 | JR予讃線特急宇和海(宇和島駅→松山駅) |
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所要時間 | 約1時間30分 |
料金 | 指定席2,990円 |
スポット名 | 松山城 |
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住所 | 愛媛県松山市丸之内1 |
開城時間 | 9:00〜17:00(最終入城16:30) |
入城料 | 大人510円 |
天守閣は現存12天守の中で唯一の「連立式」。複数の建物が渡り廊下でつながった珍しい造りで、まるで迷路のようです。
夕方は、松山市駅から伊予鉄道市内電車で「道後温泉」へ。日本最古の温泉として知られ、夏目漱石の「坊っちゃん」の舞台としても有名です。
交通手段 | 伊予鉄道市内電車(松山市駅→道後温泉駅) |
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所要時間 | 約25分 |
料金 | 320円 |
スポット名 | 道後温泉本館 |
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住所 | 愛媛県松山市道後湯之町5-6 |
営業時間 | 6:00〜23:00 |
入浴料 | 大人410円 |
道後温泉本館の内湯は、重要文化財に指定された木造3階建て。飛鳥時代をイメージした荘厳な佇まいです。
松山市内のホテルに宿泊して、翌日、松山空港から飛行機で帰路に就きましょう。
四国一周の服装と注意点
四国は年間を通して温暖な気候ですが、春や秋の行楽シーズンは朝晩冷え込むことも。上着などの羽織ものがあると安心です。
また、足摺岬など海沿いは風が強いスポットも多いため、防寒対策は必須。歩きやすい靴も大切ですよ。
交通面では、鉄道やバスの本数があまり多くないエリアもあります。旅程をたてる際は、時刻表をよく確認しましょう。レンタカーを利用するのも一つの手です。
自然と歴史、そしてグルメを堪能する四国一周の旅
豊かな自然と古い歴史、そしておいしいグルメ。四国にはさまざまな魅力が詰まっています。
瀬戸内海と太平洋、両方の海の表情を楽しめるのは四国ならでは。各県それぞれの見どころを巡りながら、四国の多様な魅力を体感できるはずです。
四国八十八ヶ所など信仰の地としても知られる四国。歴史ロマンに思いを馳せながら、心身ともにリフレッシュできる旅になりますように。
ぜひ一度、四国一周の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。きっと、日本の新たな魅力に出会えるはずです。