館内探検が楽しい古風な日本家屋の温泉宿「白壁荘」(しらかべそう)宿泊レポート(静岡県中伊豆天城湯ヶ島温泉)

2014年4月。桜の季節の終わりに伊豆湯ヶ島温泉郷の白壁荘という宿に宿泊しました。まるでテレビドラマのトリックの舞台に使われそうな、不思議な雰囲気の漂う古風な日本家屋の温泉宿です。

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とにかく古風な雰囲気の漂う日本家屋の白壁荘

湯ヶ島温泉郷へ行くには沼津から修善寺などを抜け「出口」という分岐点を右に曲がらずまっすぐと天城方面に向かいます。(出口を右に曲がると西伊豆、土肥に出ます)天城峠よりは手前で国道を右にそれると湯ヶ島温泉郷です。温泉郷とはいうものの、温泉宿(の入り口)がぽつりぽつりと目につく以外は何もない田舎ですね。狩野川という川沿いです。白壁荘はその湯ヶ島温泉郷の中でも最も奥の方にある宿です。最後に細い道をぐっと上ったところに建物と駐車場があります。

外観も中も雰囲気たっぷりの白壁荘

まず玄関を入ると広いロビーです。とても古風で雰囲気にあふれています。ぐるっと見渡すと楽しくなってきますね。まずはここでしばしこの雰囲気に見とれながらチェックイン。

ロビーはとてもくつろぎがいのあるスペースになっていて素敵です。ずっとここで過ごしたくなるような空間です。横には変わりらしいお土産コーナーがあります。場所柄わさびにちなんだものがやはり多いでしょうか。(中伊豆、天城はわさびの名産地)

参考までに述べておくと、この白壁荘は湯ヶ島温泉郷の中ではそんなに図抜けた宿ではありません。価格帯としてはむしろ手頃といえる価格帯と言えるでしょう。それもこの白壁荘を選んだ理由ですが。

せっかくのこの雰囲気です。まずは館内探検。画像で紹介しましょう。なんでも増築を重ねた建物だそうで中は迷路のようです。基本的に中庭をぐるっと囲むように建っているのだと思いますが狩野川沿いの斜面でもあるせいか、上ったり下ったりも頻繁に出くわします。たぶん画像をいくら見ても建物の構造を把握するのは難しいと思います。これに心惹かれたらぜひ訪れて自身でこの雰囲気を味わうことをお勧めします。

露天風呂付きの部屋

今回宿泊した部屋は露天風呂付の部屋です。たぶんこの宿で1室しかありません。部屋は3部屋あって、1室はベッドルーム。部屋の画像が少なくてすみません。6畳間と8畳間、そしてベッドルーム、の3部屋です。窓の下は中庭、その向こうは伊豆(天城?)の山々がきれいです。一方部屋もやはり古風で鏡台などの調度品も雰囲気があります。

一方部屋の露天風呂は一度部屋の出入り口を出て隣の扉から入ります。そこにも6畳の部屋があり、そこの扉を開けると露天風呂です。この6畳間も調度品がいい感じを醸し出しています。

お風呂は丸い木のお風呂です。あまり深くはありません。4月はまだ中伊豆は寒く、飛び出していって湯船につかり、あったまったらまた部屋に飛び込む、そんな感じでした。夜晴れているときはとにかく星がきれいでしたよ。一方、このお風呂には屋根がないので雨が降ると少し寂しいことになりますね。

白壁荘の大浴場

このままお風呂の紹介を続けます。まず大浴場です。こちらはあまり広くありません。脱衣所は細長く湯船は大小2つで、ここに露天風呂はありません。やはり施設がそもそも古いので、大浴場といってもこの宿が作られた時代はこんな感じだったのでしょうか。狩野川に面しているはずなので、明るい時間帯に行けば窓から狩野川や景色が楽しめるようなので、明るいうちに行くことをおすすめします!なお宿のスペックを見る限り、白壁荘の温泉は源泉かけ流しです。無味無臭のお湯です。

白壁荘の自慢 日本一の巨岩(巨石)風呂

続いて白壁荘自慢の一つ、日本一の巨岩・巨石風呂です。なんでもこの建物の下から掘り出された巨岩をくりぬいて作ったお風呂で、本当に巨大です!こちらは大浴場とは離れているので単独で楽しむことになります。脱衣所からこのお風呂まで距離があるので寒い!です。岩の高さが1.5mくらいあるようで、周囲をぐるっと囲む岩の会談を上って湯船にたどり着きます。湯船はそんなに深くはなく案外普通です。ただ目線が高いので快適ですね。こちらは屋根がついているので雨でも安心です。

もう一つ巨木風呂というのも自慢ですが、巨岩風呂と巨木風呂は男女で時間入れ替え制です。そんなわけであいにく巨木風呂には行けませんでした。

白壁荘の夕食、朝食

食事は食事処でいただきます。夕食も翌日の朝食も同じ場所でした。我々の宿泊した部屋が(たぶん)宿で最も高価な部屋だからか、我々だけは個室(座敷)でした。普通はテーブルのようです。我々の食事は「抹茶和牛しゃぶしゃぶとアワビの酒蒸しをメイン料理とした会席コース」だったと思います(!)この2品はどちらもおいしかったですよ。宿の価格帯(露天風呂付き部屋で1人1泊2万円)を考えるとこのくらいのレベルの食事というのは普通に満足できるレベルでした。

朝食にはアジの開きがついてきます。これも伊豆の宿では定番と言ってもいいメニューです。こちらも取り立てて特徴があったり上質というわけではありませんが、そんなに高くない宿の食事ということで不満はありません。

一方、中伊豆はわさびの名産地です。夕食のわさびはもちろんそのままで自分でおろします。全体にわさびが活躍している感じがします。わさび好き人にはもっとわさびを積極的に多用した料理のコースもあるようです。

湯ヶ島温泉郷白壁荘の総評

白壁荘はこの古風な建物が全てです。雰囲気は最高です。でも古いのできれいにしてあっても古いし寒いです。暖房施設はたくさん用意してありましたが。夏は虫も多く出るような気がします。それでもこういう施設なのでそういう面も含めて納得できる、楽しめる、それが白壁荘での宿泊を楽しめるかどうかのボトムラインだと思いました。素晴らしく清潔なホテルや高級宿と同じレベルを期待すると裏切られるし十分に楽しめないと思います。冒頭にも書きましたがトリックの舞台に使われてもおかしくないような雰囲気の宿です。湯ヶ島温泉郷という伊豆の奥地であることも含めてこの雰囲気を味わってみたい方にぜひおすすめしたい温泉宿です。


また、こういう作りなのでバリアフリーのレベルは高くありません。宿としては努力しているようですが、いかんせんこの建物のつくりでは限界があります。必要な方はこの点も抑えておく必要があるでしょう。

白壁荘のここが○・雰囲気にあふれる建築物と館内
・巨岩風呂のユニークさ
・ロビーのくつろぎ
白壁荘のここが×・寒い
・寒い
・寒い
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